夏の集中豪雨や台風、冬の大雪、はたまた強風・・・といった悪天候が理由で列車が遅れるケースがあります。これは早い話、こんな天気の中で列車を走らせたら危険なので、天候が落ち着くまでの間、列車の運転を見合わせるからです。
例えば、横風にあおられて列車が横転したり、土砂崩れに列車が巻き込まれたり、線路下が流されたところに列車が差し掛かったら、本当にヤバい・・・というわけで、沿線に雨量計や風速計を設置して、一定のしきい値を超えたら列車の速度を抑えたり、列車の運転を見合わせたりするわけです。
(どれぐらい雨が降ったら、どれぐらい強い風が吹いたら列車の運行を止めるのかは、路線によって異なります)
しかし、首都圏を中心にこんな珍事が起こるんです。
「本日は、雨のために列車が遅れております。」
どれだけの大雨だったとかというと・・・普通の雨。なので、列車の運転を見合わせたわけではありません。台風でも来たのならともなく、なぜただ雨が降っただけで列車が遅れるのか。
答えは、「雨が降った結果、乗客が増えるから」なのです。
雨が降ると、普段は自転車やバイクで通勤・通学している人が、電車に乗ります。そうすると、列車は晴れているときよりもたくさんのお客さんを乗せることになります。しかも、普段から列車で通勤・通学している人と比べて、列車に乗り慣れていない人が列車に乗ることになります。そうすると、晴れているときよりも、乗客の乗り降りに時間がかかるんです。
首都圏の朝ラッシュ時って、列車が1分遅れただけでも大変です。何しろ、今列車が止まってる隣の駅にも列車がいる、なんてのは当たり前。ひどいときは、列車がホームに止まっているというのに、そのホームの手前に列車が止まっていて、前の列車が発車したらホームに着く、なんて感じなのです。
こんな状態ですから、乗り降りにかかる時間が1列車につき30秒増えたとしても、簡単に5~6分の遅れになってしまうんです。なので、ただ雨が降っただけでも列車が遅れるというわけです。
「大雨が降ったわけじゃないのに、なんで遅れるんだよ!」
・・・って駅員さんに噛みつかないでくださいね。正しく言うと、雨が降ったから遅れたというわけじゃなくて、雨で混雑したから遅れたわけですからね。
(注:写真はイメージであり、記事とは直接関係ありません)
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